パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

2022-01-01から1年間の記事一覧

太宰治の津軽

奥入瀬から青森駅を経由して鉄道で弘前駅に近づくにつれ、車窓からリンゴの木に鈴なりの赤い果実が目に飛び込んでくる。この季節ならではの風景。りんご王国・青森県、その中でも弘前市は年間18万㌧近い収穫量で、市町村で断トツ日本一。リンゴ1個300gとす…

星野リゾートの岡本太郎

青森の星野リゾート奥入瀬渓流ホテルには、岡本太郎の作品がある。 一つはエントランスを真っすぐ進んだ先のラウンジ「森の神話」の巨大な暖炉。 ブロンズ製で天井から吊り下げられ、縦長の梵鐘のようでもある。 渓流、樹々、人間、妖精、動物が一体になり、…

暗闇の中で

国民の過半数が反対した「国葬」の前日、京都の清水寺に参りました。東京方面からの修学旅行生や欧米らしき団体ツアーも多く、コロナ禍から立ち直りつつある京都、との印象でした。修復なった舞台屋根の桧皮ぶきが、きれいでした。真っ暗闇の胎内巡りを体験…

庭の薔薇

庭で育てて3年目のバラ、ピエール・ド・ロンサールが盛りを迎えています。たいして手を掛けなかったのに、よく咲いてくれて感謝です。花それぞれ、咲き方に個性があって面白い。 「星の王子さま」に出てくる、王子を手こずらせるバラに比べると、ずいぶん素…

阿蘇の思ひ出

壁に描かれたストリートアート。建物ともども少々色あせてはいるが。 ここはNYブルックリンか、ロンドン下町か。 巨大な椅子。アートと呼ぶにはためらわれる、ただ大きいだけの椅子。 これを見れば、日本とわかる、昭和レトロの店。 ここは熊本県阿蘇市の内…

由布岳とサント=ヴィクトワール山

大分県の湯布院にある由布岳を目にした時、何かに似ている、と思った。 なだらかな稜線に、少しへこんだような山頂。 ポール・セザンヌが生涯を懸けて描いたサント=ヴィクトワール山。 これは東京・アーチゾン美術館所蔵の油彩。 南仏エクサンプロヴァンス…

熊本、阿蘇へ

熊本地震の発生から6年の4月14日、熊本市と阿蘇を訪れました。 2回の震度7、死者276人、多数の家屋が被災し、阿蘇山の大規模地滑りでも犠牲者が出た。 市街電車が走る目抜通りの真っ正面に、熊本城が見える。素晴らしいロケーション。駆け足の旅人に街の地震…

戦争の本を二冊

本屋大賞に選ばれた「同志少女よ、敵を撃て」の著者、逢坂冬馬さんは受賞インタビューで笑顔を見せなかった。ロシアのウクライナへの蛮行に「絶望」しているが故に。印税の一部をウクライナのために寄付するという。えらい! 侵略戦争が始まったころ、独ソ戦…

ドライブ・マイ・カー

繰り返し観たくなる映画というのに近ごろ遭遇してませんでしたが、「ドライブ・マイ・カー」は、続けて観て、二度目が面白い映画でした。TVのAmazon primeのレンタル48時間のなせる技。無精して映画館に足を運ばず、すみません。 米アカデミー賞の作品賞など…

佐伯祐三の大阪中之島美術館

凶悪プーチン・ロシアのウクライナ軍事侵攻、殺戮、破壊、ウクライナの人々の抵抗と避難のニュースに毎日見いり、何とかならんものか、と思う日々、のほほんとアート鑑賞していいのかとは思いつつ、大阪中之島美術館に行きました。2月開館し、コロナ下の平日…