パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ギュスターヴ・モロー美術館(Musée Gustave Moreau)

7月23日のNHK日曜美術館「魂こがして青木繁~海を越えた“海の幸”と石橋凌の対話~」にギュスターヴ・モロー美術館が登場した。オランジュリー美術館で開催中のブリヂストン美術館展で、パリの人々は、里帰りした印象派の画家たちの絵画に加え、明治の天才…

ホテル ドービュッソン(Hotel d'Aubusson)

17世紀の邸宅を改装した6区サン・ジェルマン・デ・プレ地区にある洒落た五つ星ホテル。1泊300€~400€と、馴染み宿より少し値が張るので、1年前に2泊だけさせていただいた。値が張る分、プチゴージャス感が味わえる。 歴史を感じさせる サロンの家具調度…

佐藤正午「月の満ち欠け」

佐藤正午さんは、いつごろからか、新作の小説が出ると必ず読むという稀な作家になった。 前作「鳩の撃退法」は上下巻を読み終えるのが惜しいほどで、いつまでも作品世界に浸っていたいと思わせた。贋札か真券か曖昧模糊とした札束3000万円の詰まった鞄を預か…

オルセー美術館(Musée d’Orsay)後篇

悲劇の二人 オルセーのヴァン・ゴッホは「星降る夜」「アルルの寝室」「自画像」「オーヴェール・シュル・オワーズの教会」がよく知られ、人気も高い。 「星降る夜」はアルル時代の作品、「アルルの寝室」はアルルでゴーギャンを待つ時の寝室の情景で、二人…

オルセー美術館(Musée d’Orsay)前篇

印象派の殿堂と称されるオルセーは、数あるパリの美術館のなかで、一番好きな美術館だ。ルーヴルが少々胃もたれする脂っこい伝統料理だとすると、こちらはヌーヴェルキュジーヌ。あるいは1950年代、それまでの映画に叛旗を翻し、リアルなテーマ、撮影と編集…

ホテル ベラミ(Hôtel Bel-Ami)

多くを語るほど、パリのホテルを経験しているわけではない。1泊10万円もするような高級ホテルは、むろん泊まったことがない。どころか、これまで最高はせいぜい4万5000円程度だったと思う。だから、高級ホテルが定宿の人にはなんら参考にならないページで…