パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「細雪」と「ダウントン・アビー」ではなく、桐野夏生「デンジャラス」 

谷崎潤一郎の「細雪」がとてつもなく面白い小説である、ということに60歳を過ぎての初読で知った。芦屋市谷崎潤一郎記念館の元館長のT・Kさんに繰り返し薦められていたのに、文庫本で3.8㎝の厚さ(中公文庫)に腰が引けていた。映画も原作に誘う魅力はなかっ…

戦後72年の夏 NHKスペシャル、新聞そして映画

8月は戦争の記憶を呼び戻し、鎮魂する月だ。 NHKは8月12日から4夜連続のNHKスペシャルで第二次世界大戦のドキュメンタリーを放送した。初日の「本土空襲 全記録」はたまたま家に来ていた小学1年生の孫と一緒に見た。40万人以上が死んだ空襲、米戦艦に突…

「世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史」(スティーブン・ジョンソン 朝日新聞出版)

因果関係のドラマが、目からウロコの面白さだった。 歴史の面白さは因果関係を知るところにあると思う。人、モノ、環境が何を変え、その結果どうなったか、に尽きる。受験のために歴史を丸暗記しても、興味が持てなかったのは、その面白さを知らなかったか…

パリ、ジュテーム(Paris, je t'aime)(2006)

18編のうち仏人監督は4編だけで、あとは米、英、独、スペイン、カナダ、ブラジル、日本、豪、南ア、メキシコの監督というオムニバス映画。パリ20区のうち18区(あとの2区も制作され、DVDの特典には入ってるらしい)での「街角の小さな恋の物語」だが、1話…

ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)(2011)

パリ好きなら、イントロから心をつかまれてしまうだろう。パリの観光名所と街並みが朝から夜にかけ流れるように映し出される。セピア色というわけではないのに、なぜか懐かしさを感じる風景。 フランス人の監督ならこうは撮らないだろうなあと思う、照れくさ…