パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

シャガール美術館

ニースのシャガール美術館はその名がついたバス停のすぐ近く、高級住宅街の一角にあった。正式名称は「国立マルク・シャガール聖書のメッセージ美術館」。1966年、シャガール(1887~1985)がフランスに寄付した聖書の場面17点の連作をもとに、73年、画家86…

ニース、ナイト&デイ

マティスの礼拝堂だけ見てヴァンスの旧市街をパスし、夕方、400番のバスに1時間揺られてニースに戻る。 夕食は、ホテル直近の日本人シェフが経営するレストラン「エコール・ド・ニース」を予約していた。パリで日本人シェフが多数活躍しているが、ここニー…

マティスの礼拝堂

サン・ポール・ド・ヴァンスから隣村のヴァンスへはニースから来たのと同じ400番のバスで7分ほど。土曜の昼間は30~40分に1本運行し、ヴァンスは終点だ。 バスターミナルの周りは変哲もない街並み。「Chapelle du Rosaire MATISSE」と書かれた標識があった…

詩人も愛したサン・ポール・ド・ヴァンス

マーグ財団美術館から中世の城塞都市、サン・ポール・ド・ヴァンスの村に行く。遠そうに見えるが、歩いて15分ほどの距離だ。 村の入口でアートが出迎え。 石積みの壁、褐色の瓦屋根が南仏の雰囲気を醸す。 のどが渇き、少しお腹もすいたので、大きな木に囲…

画家たちの夢、マーグ財団美術館

南仏に点在する鷲の巣村の一つ、サン・ポール・ド・ヴァンスへは、ニースからバスで1時間がかりだった。 村はずれの森の中に、マーグ財団美術館はある。 門をくぐって前庭に入ると、オブジェが出迎える。木々に囲まれ、緑の芝に置かれたミロ、アルプ、カル…

ニースの紺碧の朝

朝、ニースの海岸沿いの道を散歩する。 晴れて微風、空も海も青く、実に気持ちがいい。 天使が羽根を広げたような形から、アンジュ(=エンゼル)湾と呼ばれる弓なりの海岸沿いに、プロムナード・デザングレ(英国人の散歩道)が続く。 19世紀、保養にやって…

スタールの風景、カンヌの手形

花壇が観光客を迎える 地中海に面したアンティーブは2000年以上前のローマ時代からの港町で、中世には外国との貿易拠点となり、今も残る城壁は戦争や疫病から街を守るためのものだったとか。面積26平方㌔、人口7万5000人ほど。 ニースからアンティーブ駅ま…

ピカソの「生きる喜び」

パブロ・ピカソ(1881~1973)は第二次世界大戦後の1946年9月から11月まで2か月間、アンティーブのグリマルディ城にアトリエを構え、数々の作品を制作した。ここを去る時、制作した23点の絵画と44点の素描を市に寄贈し、これをもとに1966年、ピカソ美術館が…