パリ95番バス

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二度目の倫敦⑧コッツウォルズ、オックスフォードツアー

4日目の日曜日、ロンドンに来てから妻のリクエストで予約したコッツウォルズとオックスフォードの日帰りツアーに出かけた。

午前9時15分、ホテルからバス停で2つのヴィクトリア駅に集合。感じのいい若い男性のガイド兼運転手にツアー客12人。私たちを含む男女カップル2組、女性ペア3組、一人参加2人がその内訳。日本人は私たちだけ。

マイクロバスで駅を出発し、市内を案内しながら高速道路へ向かう。早口の英語ガイドなので、聞き取れるのは3分の1程度。ケジントン公園のピーター・パン像では作者ジェームス・バリーの話、バッキンガム宮殿では女王がいるかいないか旗でわかる…とか。

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2時間ほどのドライブ、次第に羊たちのいる田園風景に変わる。イギリス人が愛してやまないカントリーにやってきた。

最初の到着地はコッツウォルズのバイブリー。 

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1650年創業のスワンホテル。外壁を覆うツタが年季を感じさせる。

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フリータイムは30分。界隈を一回りします。

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コルツ川沿いのアーリントン・ロウ。14世紀の石造りのコテージが身を寄せ合うように並ぶ。ガイドブックには大抵、この辺りの写真が載っている。草木や花をモチーフにした壁紙で知られるウイリアム・モリス(1834-1896)は「イングランドで最も美しい村」と賞賛した。

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蜂蜜色のライムストーンの外壁に紺色の屋根。

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透き通った水の流れに揺れる水草静岡県三島市柿田川を思い出した。

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元は羊毛の倉庫、その後、毛織物の作業場兼住居になり、今はナショナル・トラストが所有し、住人がいる。ワンコも。住人が観光客と話していた。

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左が私たちのマイクロバス。並んでいる大型バスは団体用で、日本人ツアーも来ていた。

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 ガイド兼運転手の…名前を聞きそびれた。カッコいい青年でした。

続く行先は14世紀から17世紀にかけ、宿場町として栄えたバーフォード。ここで1時間のランチタイム。

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坂道のハイストリート(目抜き通り)両側に古い建物を使ったベーカリー、オックスフォード・シャツの店、アンティークショップ、土産物店などが並ぶ。なんとなく埼玉の「小江戸」川越を思い出してしまう。車が多い。観光シーズンには人と車であふれるのだろう。

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1890年創業のベーカリー&ティールーム、ハフキンスでパンとカプチーノの軽食ランチ。

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「H」マークのバスケットなど雑貨も扱う有名店と、あとで知った。

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老舗パブ。

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チーズ屋さん。ネズミは2020年の干支だったので、この写真を年賀状に使わせてもらった。

このあと、大学都市オックスフォードへ。

マイクロバスを街外れに止めて、街なか一周の見どころをガイドした地図が配られ、2時間のフリータイム。

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通りの一角にクリスマーケット。

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移動メリーゴラウンドと吹奏楽団。

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ボドリアン図書館をのぞく。オックスフォード大学には45のカレッジがあり、それぞれ図書館を持っていて、ボドリアンはそのメーン図書館として、学習、教育、研究のサポートをしている。

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中庭にはかつての学長の銅像

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17世紀にできて以来、所蔵する印刷物は1300万あり、大英図書館に次ぐ大きさという。

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ボドリアン図書館の閲覧室になっているラドクリフ・カメラ。カメラの語源「丸天井の部屋」という意味のラテン語名が付いたドーム付き円形建物は、最初は科学図書館として18世紀に建てられた。

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こちらは新館。ホールからガラス越しに本で埋まった書庫が見える。

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セント・メアリー教会。尖塔は13世紀に建てられた。

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こんなところにも赤い二階建てバス。

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オックスフォード大学で一番大きなカレッジ、クライスト・チャーチへ。

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1525年に創設され、卒業生には多数の首相がいるそうだ。

オックスフォードの卒業生には、「不思議の国のアリス」を書いたルイス・キャロル、「ロード・オブ・ザ・リング」の原作者トールキン、「国富論」のアダム・スミスらがいる。なので政治家、経済学者、作家を輩出する文系のオックスフォード大学、万有引力ニュートンや進化論のダーウィンを生んだ理系のケンブリッジ大学、といわれるようです。

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地面から這い上がって広がるツタに目を奪われる。

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ドラマ「ダウントン・アビー」の一家の居館、ハイクレア城を思い出します。今年、映画が公開され、ドラマのファンとしては、懐かしく、あの世界に浸りました。落日の貴族の一家の話なので、見る人によっては、階級社会に反発しそうですが、偏見や差別をやんわり批判しつつハッピーエンドに持っていくドラマ作り、スキのない群像劇はさすがでした。

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クライスト・チャーチで開かれるチャリティ・クリスマス・コンサートにMr.ビーンことローワン・アトキンソンがゲストで来る、との告知があった。調べると、アトキンソンはなんとオックスフォード大学のザ・クイーン・カレッジで理学修士として学んでいたころ、コメディアンデビューしたらしい。ビーン、大好きです。特に映画「Mr.ビーン カンヌで大迷惑⁈」は傑作です。

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街なかへ戻る。郵便局も重厚。

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こじんまりしたアーケード商店街。

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オックスフォードで一番古い建物とされる1040年建設のサクソン・タワー。

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四つ角に立つカーファックス・タワーは14世紀の建設。からくり時計で有名とか。

あちこちの塔に時計があるのは、学生が街で遊び惚けて授業時間に遅れないよう、時刻を知らせるためだったのでは。

大学都市には憧れる。かつて通った大学は都市のはずれ、学生運動の残り火の時代だったから余計そう感じたのか、学内も大学周辺も殺風景を通り越して殺伐としていた。オックスフォードに来ればよかった…。

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18世紀の建物を使った書店。

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夕暮れ、オックスフォードを出て、ロンドンへの帰路に就く。