パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

ニースの紺碧の朝

朝、ニースの海岸沿いの道を散歩する。

晴れて微風、空も海も青く、実に気持ちがいい。

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天使が羽根を広げたような形から、アンジュ(=エンゼル)湾と呼ばれる弓なりの海岸沿いに、プロムナード・デザングレ(英国人の散歩道)が続く。

19世紀、保養にやってきた英国人が、遊歩道の整備を発案したことからその名が付いたとか。ジョギングをする人が行きかう。

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小石の浜には釣り人、海には小船、周りをカモメ(たぶん)が舞う。

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浜に並んだチェアには誰もいない。

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海の反対側にはホテルやリゾートマンションのような建物が軒を連ねる。カジノはまだ開いていない。派手な外観のホテル・ネグレスコが街路樹の向こうに見える。

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奥に見えるのがホテル・ネグレスコ

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デュフィの絵のレプリカが海岸にあった。ここで、ホテルを描いたということらしい

南仏東側の地中海沿岸を指すコート・ダジュールという言葉は響きがいい。コートは「海岸」、ダジュールはd’Azurで「紺碧の」だけれど、音がJour(ジュール)=日、陽光を連想させるので、いかにも真っ青で明るい地中海のイメージだ。

有数のリゾート地として知られるニースの人口は34万人、コート・ダジュールの街で最も多く、フランス全体でも5番目の大都市(空港があるくらいだから)。

歴史的にはギリシャからローマ帝国、フランス、スペイン、イタリアと、いろんな国の支配下に置かれてきた。ほとんどイタリアという地理からしても、奪い合いになっておかしくない土地ですね。

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ニースが力を入れている国際映画祭の看板。毎年、カンヌ国際映画祭の直前に開催され、2018年には私が以前に代表をしていた大阪の広告会社のクリエーターのM君が、自主制作映画「唾と蜜」で新人監督賞を獲得した、というささやかなご縁がある。世界で評価される才能ある若い人たちが頼もしい

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こちらは7月16日から行われるジャズフェスティバルの看板。ああ、この時に来たかった

ついでながら、フランスの都市人口は、パリに次いでマルセイユ、リヨン、トゥールーズ、ニースとなるが、220万のパリのほかに100万を超える都市はない。

55万平方㌔の国土に6300万が住むフランスに対し、日本はその3分の2の面積に2倍の1億2700万人がいて、日本の人口密度は平方㌔あたり334人、フランス113人の3倍。日本は平地が少ないし、都市が窮屈なはずだ。近ごろはおまけにインバウンド!

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この看板はといえば、サッカー女子W杯フランス大会のニースでの試合のお知らせ。

滞在中の6月9日にイングランドスコットランドの試合があった。19日には日本対イングランドの試合も。ともにイングランドが勝ちました(準決勝でアメリカに負け)。

 

ホテルに戻ることにする。

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街中の青果店に並ぶフルーツ

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パリのアパルトマンを思わせる建物。リゾートマンションでしょうか

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早朝のカフェはひっそり

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ニースの2泊は、ニース・ガーデンホテル(上)という海岸から歩いて5分ほど街中に入ったホテルを選んだ。料金が安い!ということもあったが、10室だけのアット・ホームなホテルで、中庭で朝食が取れることに魅かれた。

その朝食のスタートは午前8時半からとゆっくり目。この日は近隣の街をバスで訪ねる予定で、決して時間に余裕があるわけではないが、こんな快適な朝はゆるゆるした時間の流れに身を任せるしかない

 

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青い花が咲く棚の下のテーブルでの朝食。クロワッサンが驚くほどおいしい。

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イングランド出身で今はシアトルに住むという年配の夫婦が少し離れた向こうのテーブルで朝食を取っている。庭の写真を撮っていたら、だんなさんがわれわれ夫婦の写真を撮ってくれた。

心穏やかに始まる一日。