パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

ニューヨークの秋(1日目)摩天楼ナイトツアー

 

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 (二階建てバスからのタイムズ・スクエア

到着の夜、予定していなかったナイトツアーに参加したら、想像を超える景色に、ニューヨークハイとなった。

 ロケ地・NY 

11月2日午後1時55分、大阪空港発のANAで成田へ。午後4時40分発のJFK空港行のANAに乗継ぐ。フライトは13時間ほど。

海外旅行時の機内では食べるか寝るか、映画を観るかだが、映画のラインナップは今回ややはずれ。その中で、アメリカンな新作をと、まず「ワンダーウーマン」。「バットマン」「スーパーマン」などの一連のアメリカン・コミックもので、モニター画面での特撮とアクションは当然迫力に欠けるが、美人の主演女優のおかげで観て損はなかった。次いで、「スパイダーマン」シリーズを再見。アメコミのヒーロー、ヒロインはどういうわけか悩みが多い。悩まない大統領、悩まない世界の大国の政治家に代わって悩んでいるのかもしれない。あと「シークレット・アイズ」というニコール・キッドマンジュリア・ロバーツ共演の映画を何気なくみてたら、あれれアルゼンチン映画の傑作「瞳の奥の秘密」のリメイクと途中で気付いて、最後まで観たものの、オリジナルの方が当然よかった。

映画といえば、旅行前にNY舞台の映画を何本か観た。「セックス・アンド・ザ・シティ」(映画版2本。意外に面白く、人気がわかった)「奇跡のシンフォニー」(無茶なストーリーにもかかわらず涙腺ゆるみっぱなし)「ニューイヤーズ・イブ」(タイムズ・スクエア主演)「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(これまた涙腺を緩ませる9・11映画)。付け足すと、ウディ・アレンの「マンハッタン」、ブルックリン舞台のウェイン・ワン監督、ポールオースター脚本の「スモーク」、ポール・オースター監督・脚本の「ブルー・イン・ザ・フェイス」は以前に見た秀逸なNYものです。 

自動申請機って

 JFK空港。空港がいくつものターミナルに分かれているせいか、移動距離がシャルルドゴール空港に比べて短い。ただ入国審査に少しとまどった。スムーズにESTA - Returning (ESTAビザ免除2回目以上)の列に並んだのはいいけれど、初めての自動申請マシーンに手間取っていたら、「うん、もう、困った日本人観光客ねえ」という感じで制服の黒人女性職員が手伝いに来た。機械にパスポートを読み込ませ、画面で関税申告書と同じ内容を聞かれる。顔写真を撮って、出てきたレシートを持って対面審査へ。さすがUSA、簡単には入国させない。長蛇の列のみなさんごめんなさい。 

ホテルはミッドタウン 

空港から宿泊ホテル「ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウン」へはタクシーを使った。パリは導入して日が浅い一律料金を、NYはとっくの昔に取り入れている。運転手はごま塩頭の初老のモーガン・フリーマン風黒人男性。寡黙。ここからNYっぽい。摩天楼が見えてくると、妻ともども「ワオ」。夕暮れ時の渋滞をくぐり抜け、ミッドタウンに入るころにはすっかり夜。1時間余りかかった。チップも含め$70。パリとほぼ同じですね。

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(ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウン)

今回のツアーは航空券とホテルのみのパック。ホテルの選択は自由で、金額と立地でヒルトン・ミッドタウンを選んだ。6番街(アヴェニュー・オブ・アメリカ)の53丁目と54丁目間にあり、タイムズスクエアとセントラル・パークからほぼ等距離(ともに歩いて10分ほど)。MOMA、ロックフェラーセンター五番街は至近というNY初心者向きの立地です.。.

客室数2000はNY最大規模で、ビジネスユース向きなのだろうが、デリの値段が高い(バナナ1本$2!、エビアン500ml$5!)のを別にすれば23階の眺めのいい部屋は広く、快適で、不自由はなかった。シャワーのみの部屋だったとか、冷蔵庫がないとかの、ネットの声を事前チェックしていたので、バスタブと冷蔵庫付の部屋を指定しておいた。入室してまず調べたら、ちゃんとついていて、安心した。湯沸しポットがないのは当たり前のようで、これは日本から持っていって、それなりに役立った。

ハワイ以外、海外のホテルにはウォシュレットがないのはここも同じ。ANAの機内のトイレにさえ今は付いているのに。NYのキタノホテルには装備されているらしいので、次回宿泊先として検討対象としたい。 

ニューヨーク・フリースタイル・パス 

タイムズ・スクエアに向かって歩く。目的はニューヨーク・フリースタイル・パスの受け取り。準備段階で、妻が「二階建てバスに乗りたい!」と言ったので、ネットであれこれ調べた結果、このパスを採用。ホップ・オン・ホップ・オフという乗り降り自由の二階建て観光バス(3ルート)、ナイトツアーが72時間乗り放題+ブルックリンへのクルーズ、50か所以上の観光スポットから3~7か所選択できるというパス。メトロポリタン、MOMA、グッゲンハイム、ホイットニーの美術館4館とエンパイア・ステート・ビル、トップ・オブ・ザ・ロック、ワン・ワールド・センターの3つの展望台を予定して、Viatorという旅行会社で一人$170(7か所用)で予約した。

そのバウチャーをタイムズ・スクエア近くのビジターセンターでパスに引き換えて、明日からに備えるつもりでいた。アジア系女性の懇切丁寧な説明を受けてパスを受け取り、向かいに止まっていたバスが午後8時、まさにいま出発するというので、飛び乗ったら、これがノンストップのナイトツアー。ナイトツアーは翌日の予定だったが、まあいいかと、2階席(少々寒かったが)に腰を落ち着けた。 

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めくるめく、夜のニューヨーク 

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極彩色のネオン、目まぐるしく変化する広告映像、そして人があふれる異世界のタイムズスクエアをゆるゆるとバスが行く。一気にテンションがハイになり、ガイドの英語の解説(イヤホンではフランス語、スペイン語、ロシア語はもとより、中国語、韓国語のガイドチャンネルはあるのに、なぜか日本語がない)が半分もわからなくても、次々に現れる夜のビルに目を奪われ、ガイドはどうでもよくなる。

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エンパイア・ステート・ビル(上のブルーの尖塔)から五番街ダウンタウン方向へ。

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(フラットアイアン・ビル)

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フラット・アイアンビル、ワシントン・アーチ、ソーホー、チャイナタウンを経てマンハッタンブリッジを渡り、ブルックリンに入る。

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(マンハッタン・ブリッジ入口)

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(夜のブリックリンの公園でバスケットボール)

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ブルックリンをくるりと回って、再びマンハッタンブリッジへ。橋からはブルックリン・ブリッジとその向こうのロウアー・マンハッタンの高層ビル群の夜景が見える。

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帰りはワン・ワールド・トレード・センター(上)、チェルシー、再びのエンパイア・ステート・ビル、デパートのメイシーズを通って、出発点へ。

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90分のツアー予定が、渋滞もあって2時間。地理が十分に呑み込めず、やみくもに観たという印象だったが、眠らない街NYのツボにはまった初日だった。

60歳を過ぎた夫婦、初のニューヨーク。パリとはまた違う、都市の魅力があった。