パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

ブルゴーニュのワイナリー

 

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1週間ほどのパリ旅行には、日帰りまたは1、2泊の小旅行を必ず組み込んできた。過去は、南仏(エクス・アン・プロヴァンス、アルルなど画家の足跡を追って)、モン・サン・ミッシェル(島内ホテルに1泊)、ベルギーのブリュッセル、ランス(シャンパンカーブと藤田嗣治の礼拝堂)、ジヴェルニーとルーアン(モネの足跡を訪ねて)。今回は日帰りでブルゴーニュのワイナリーツアーに参加した。

 ホテルから朝、63番バスでリヨン駅に駆け付け、日本でEチケットを購入した7時57分発のTGVに乗ってディジョン駅へ。1時間半で到着すると、ツアーガイドの篠塚茂治さんがホームで出迎えてくれた。ツアーには京都からきた女性と、東京からの男性、そしてわれわれ夫婦の4人が参加。近年は夫婦2人の個人旅行がもっぱらなので、ほかの日本人の方と一緒のプチツアーが新鮮で楽しい。

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午前中は篠塚さんの車で、シャンベルタン、ボーヌ・ロマネのワイン蔵を訪ねた。地域の畑の分布と特級、一級、その他の区別、テロワール(土壌)、ブドウ、樽熟成などなど基本を教わる。試飲の仕方のイロハも。ワイン好きでやみくもに飲んできたが、整理された知識は飲む楽しみを倍加させてくれる。日本で常識のように言われていることが、見当違いのこともあるようだ。2か所で赤ワインを計10種類試飲する。いずれもおいしい。本場で飲むブルゴーニュは格別だなあ、と悦に入りながら、聞いた知識を忘れていく。

ロマネ・コンティの畑の見学もむろん付いている。もっぱら写真撮影で試飲は遠慮した。 

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料理もうまい 

昼食は地元のレストラン。素朴なたたずまいで薪で焼いた肉料理が自慢とか。チョイスしたニシンの燻製とジャガイモの前菜、豚肉のあぶり焼きがことのほかおいしかった。パリのレストランより素材が新鮮と感じたのは、手入れの行き届いたブドウ畑に囲まれた環境、自然のなせる業か。比較できるほど、パリのレストランも知らんけど。

午後は白ワインの名品、モンラッシェとムルソーの試飲。これもいい。結局、2人で関税なしで持ち帰ることができる計6本のワインを購入してパリに戻った。楽しかったワイン蔵めぐり、篠塚さんに感謝したい。ネットで「ブルゴーニュワインツアー」を検索すると、ホームページにアクセスできる。

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フランスは農業大国といわれる。フランス料理の伝統と革新も、ワインの層の厚さも農業あってのこと。TGVでパリを出ればすぐに牛や羊の姿はあっても人の姿は見えない緑の畑が続く。グローバル化の影響がどうなのか、勉強不足でわからないが、農業国の果実であるワインには、それを生むテロワールがある。何事もテロワールが大事という教え。