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テイスト・オブ・パリ(Taste of Paris)

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5月のパリはいろんなイベントがあるようで、18日から21日まで、セーヌ右岸のグラン・パレで「テイスト・オブ・パリ」という食の博覧会が開かれていた。美食の国フランスの食博、せっかくだからと、21日の日曜日に足を向けた。入場料が20€!、出店者の試食には別にクレジットが必要!で妻と2人分40€を購入して会場内をさまよった。

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グラン・パレは1900年の万博時に建てられ、石造りの建物に鉄骨、ガラス張りの円形屋根を載せている。その2年前の1898年、フランス革命から100年の万博時に建てられたエッフェル塔の鉄骨と通じるものがあり、この時代、鉄が新しかったことをうかがわせる。向かいには1900年万博で美術展示場として建てられたプチ・パレがあり、セーヌ川を西にたどると1937年万博のパリ市立近代美術館(パレ・ド・トーキョー)がありと、この界隈は万博遺産地域。大阪や東京の見本市会場とは建物に歴史の差を感じるが、その分使えるスペースも小さいので、使い勝手は? ただ、この歴史的建造物で開かれた食博だから行ってみる気になったのも確か。大阪でいえば中之島公会堂で粉もん博を開くみたいなものか、はたまた、京都・二条城で和食博を開くようなものか。

 

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出店者はアラン・デュカス・オ・アテネプラザ、ギイ・サヴォイという食に疎い当方でも聞いたことのある名前から、小林圭さんらパリで人気の日本人シェフも。二口でおしまいのオマールエビグリーンピースのスープ12€とか、おいしいけれど量的に残念なものもあったが、食事ではなくあくまでフランス料理の試食と割り切った。無料試食、無料試飲もあったので、まあ、仕方なし。

 入場者はそれなりにおしゃれな人たちもいたが、金があれば、ここにあえて並ばずとも50€、60€のランチをレストランに食べに行くだろうし、20€の入場料はもったいない、それだけあればビストロでうまいランチが食べられると思う人もいるだろう。だとすれば、なかなか行けないミシュランの星付きや人気のレストランの味を体験してみたいという層が来るところなのかも。

ミシュラン2つ星の日本人シェフ 

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帰国後の6月3日、NHKBSプレミアム「ヨーロッパ・星付きシェフからの招待状」という番組で、フランス、イタリアで活躍する日本人シェフが登場し、その中で小林圭さんが今年ミシュラン2つ星を獲得したことが紹介された。テイスト・オブ・パリの会場風景もちらりと映った。昨年、パレ・ロワイヤルに近いレストラン「KEI」でランチをいただいたが、番組では、岸恵子さんが店を訪れ、小林シェフは素材にこだわったスペシャルな1点として野菜のサラダを出していた。昨年食べたサラダの記憶がよみがえった。。番組の中で、さらに高みを目指すと言って風格さえ漂わす小林シェフ。食博会場でも一番の行列ができていたことに納得した。

                       

Taste of Paris: Le festival de la gastronomie