5月のパリ
パリが好きだ。住んでみたいと思う。
観光旅行で訪れること9回。滞在日数はせいぜい通算50日程度だから、行くたびに発見がある。
回数を重ねても飽きない。
帰って数か月たたずにまた行きたくなる不思議な魅力を持つ街だ。
身もふたもない愛の告白みたいだけれど。
人それぞれ、そうした街があるのだと思う。
景観の美しさ、街の人々の個性、多様性。
パリが生んだ美術、文学、音楽、写真、映画。
パリの人々がそれらを大事にし、誇りにしていることが、作家、画家の名前がついた通り、駅の名からもうかがえる。
理念、食、ワイン、カフェ、ファッションもむろん忘れてはいけない。
時間の堆積層に、現代が新たな地層を積み重ねていく。
いつからか、パリをめぐって何か書ければと思うようになった。
とりとめもなく、ではあるけれど。
この5月のパリ旅行の話から始めたい。