パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

「細雪」と「ダウントン・アビー」ではなく、桐野夏生「デンジャラス」 

谷崎潤一郎の「細雪」がとてつもなく面白い小説である、ということに60歳を過ぎての初読で知った。芦屋市谷崎潤一郎記念館の元館長のT・Kさんに繰り返し薦められていたのに、文庫本で3.8㎝の厚さ(中公文庫)に腰が引けていた。映画も原作に誘う魅力はなかっ…

「世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史」(スティーブン・ジョンソン 朝日新聞出版)

因果関係のドラマが、目からウロコの面白さだった。 歴史の面白さは因果関係を知るところにあると思う。人、モノ、環境が何を変え、その結果どうなったか、に尽きる。受験のために歴史を丸暗記しても、興味が持てなかったのは、その面白さを知らなかったか…

佐藤正午「月の満ち欠け」

佐藤正午さんは、いつごろからか、新作の小説が出ると必ず読むという稀な作家になった。 前作「鳩の撃退法」は上下巻を読み終えるのが惜しいほどで、いつまでも作品世界に浸っていたいと思わせた。贋札か真券か曖昧模糊とした札束3000万円の詰まった鞄を預か…