パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

教会を巡ってシェイクスピア・アンド・カンパニー書店へ

宿泊するホテルの部屋から、サン・ジェルマン・デ・プレ教会が見える。パリで現存する最古の教会、とされる。6世紀に建てられ、9世紀に消失したあと再建されたらしい。 下は教会の中。ブルーが鮮やかで、思いのほか新しい感じ。 向かいにはルイ・ヴィトン…

夢中の迷宮、オルセー美術館

パリのオルセー美術館は何回目かの訪問で、以前、二回に分けてブログで書いたことがあるので、今回は過去、見落としていた作品、見過ごしていた作品を取り上げたいと思います。 エリー・ドローネー「死の天使ーローマのペスト」(1869) 2014年の日本でのオ…

夜のセーヌ川クルーズは何度でも楽しい

ポンピドゥー・センターで20世紀のフォーブ、抽象、シュルレアリスム絵画を見て回ったあと、パリ市庁舎を一瞥し、メトロに30分ほど乗ってサッカー女子W杯フランス大会のアルゼンチンー日本戦の観戦に向かった。 パリ市庁舎 メトロは超満員で、フランス人ら…

ポンピドゥー・センター㊦カンディンスキーからポロック

パリのポンピドゥー・センターにはワシリー・カンディンスキー(1866~1944)の作品が数多くある。 「抽象絵画の父」ともいわれるモスクワ生まれの画家の有名なエピソードを二つ。 一つは28歳のときの話。モスクワで開かれた印象派展でモネの「積藁」を見て…

ポンピドゥー・センター㊤マティスからスーチン

南仏からパリに戻った翌日の月曜日、朝からルーヴル美術館に突撃したが、団体客以下行列が延々とできていたので、あきらめ、ギャラリー・ラファイエットなどショッピングゾーンをうろついたあと、午後にポンピドゥー・センターに行った。 何も知らずに見たら…

マティス美術館

南仏の最後はマティス美術館。ニースのシミエの丘にあり、ローマ時代の遺跡が保存された考古学博物館が隣接する。 エントランスは地下にある アンリ・マティス(1869~1954)は第一次大戦下の1917年にパリからニースに移り、第二次大戦の爆撃を避けてヴァン…

シャガール美術館

ニースのシャガール美術館はその名がついたバス停のすぐ近く、高級住宅街の一角にあった。正式名称は「国立マルク・シャガール聖書のメッセージ美術館」。1966年、シャガール(1887~1985)がフランスに寄付した聖書の場面17点の連作をもとに、73年、画家86…

ニース、ナイト&デイ

マティスの礼拝堂だけ見てヴァンスの旧市街をパスし、夕方、400番のバスに1時間揺られてニースに戻る。 夕食は、ホテル直近の日本人シェフが経営するレストラン「エコール・ド・ニース」を予約していた。パリで日本人シェフが多数活躍しているが、ここニー…

マティスの礼拝堂

サン・ポール・ド・ヴァンスから隣村のヴァンスへはニースから来たのと同じ400番のバスで7分ほど。土曜の昼間は30~40分に1本運行し、ヴァンスは終点だ。 バスターミナルの周りは変哲もない街並み。「Chapelle du Rosaire MATISSE」と書かれた標識があった…

詩人も愛したサン・ポール・ド・ヴァンス

マーグ財団美術館から中世の城塞都市、サン・ポール・ド・ヴァンスの村に行く。遠そうに見えるが、歩いて15分ほどの距離だ。 村の入口でアートが出迎え。 石積みの壁、褐色の瓦屋根が南仏の雰囲気を醸す。 のどが渇き、少しお腹もすいたので、大きな木に囲…

画家たちの夢、マーグ財団美術館

南仏に点在する鷲の巣村の一つ、サン・ポール・ド・ヴァンスへは、ニースからバスで1時間がかりだった。 村はずれの森の中に、マーグ財団美術館はある。 門をくぐって前庭に入ると、オブジェが出迎える。木々に囲まれ、緑の芝に置かれたミロ、アルプ、カル…

ニースの紺碧の朝

朝、ニースの海岸沿いの道を散歩する。 晴れて微風、空も海も青く、実に気持ちがいい。 天使が羽根を広げたような形から、アンジュ(=エンゼル)湾と呼ばれる弓なりの海岸沿いに、プロムナード・デザングレ(英国人の散歩道)が続く。 19世紀、保養にやって…

スタールの風景、カンヌの手形

花壇が観光客を迎える 地中海に面したアンティーブは2000年以上前のローマ時代からの港町で、中世には外国との貿易拠点となり、今も残る城壁は戦争や疫病から街を守るためのものだったとか。面積26平方㌔、人口7万5000人ほど。 ニースからアンティーブ駅ま…

ピカソの「生きる喜び」

パブロ・ピカソ(1881~1973)は第二次世界大戦後の1946年9月から11月まで2か月間、アンティーブのグリマルディ城にアトリエを構え、数々の作品を制作した。ここを去る時、制作した23点の絵画と44点の素描を市に寄贈し、これをもとに1966年、ピカソ美術館が…

アンティーブのニコラ・ド・スタール

南仏の古くからの港町アンティーブにあるピカソ美術館。ピカソには申し訳ないが、ニコラ・ド・スタールが一番の目当てだった。 スタールの絵画を知ったのは、アマゾン・プライムでジャン・リュック・ゴダールのストーリー不明映画「さらば、愛の言葉よ」(20…

デジタルゴッホに驚いた

(夜のカフェテラス) ゴッホ(1853~1890)の絵をデジタル技術で三次元動画にして見せるシアターが、パリで評判になっていると知り、訪れた。 アトリエ・デ・リュミエール。「光のアトリエ」の意味だろうけど、映画を発明した「リュミエール兄弟のアトリエ…

ペール・ラシェーズ墓地

パリ20区にあるペール・ラシェーズ墓地を訪れた。 1804年に開設され、あまたの著名人の墓があることで、観光地にもなっているが、はずれにあるので、これまで足を運ぶ機会がなかった。 墓の数7万。近くに新しくできたアート施設に行くついでに、初めて足を…

ジャコメッティのアトリエ

アルベルト・ジャコメッティの彫刻と絵画は40数年前の大学生のころ、確か、展覧会で見て以来、記憶の隅に残り続けていた。極限まで細くなった人、何重もの描線で透写されたような顔。 確か、というのは、今調べてもそのころ関西でジャコメッティ展があったと…

椅子の風景ー恩田陸さんの「居場所」から

平成最後の年の初め、読んでいる朝日新聞と読売新聞の記事で一番印象に残ったのは、作家恩田陸さんの寄稿でした。朝日の1月5日朝刊オピニオン欄、「TOKYO再び④居場所」。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたシリーズのひとつです。 恩田さん…

イタリア旅行番外編 様々な「受胎告知」

10月に訪れたイタリアでは、ウフィッツイ美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、いろんなところで「受胎告知」に出会いました。キリスト教アートでは、「キリストの磔刑」「聖母子像」と並ぶ人気テーマのようですが、キリスト教とは距離のある日本人と…

イタリア旅行⑩バロックのローマ、ベルニーニのローマ

ローマ2日目の朝、ホテル前のコルソ通りを部屋のベランダから眺める。古代ローマの入口とされたポポロ広場から、フォロ・ロマーノ北のヴェネツィア広場まで1.5㎞、まっすぐに伸びたストリート。 ベランダからは4頭立ての馬車を飾ったヴィットリオ・エマヌ…

イタリア旅行⑨夜のヴァチカン美術館

コロッセオ再び フォロ・ロマーノからコロッセオへ。古代ローマ遺跡中、最も有名な円形闘技場。 パリのエッフェル塔はフランス革命から100年の年に開かれた万博で建設され、古いものと新しいものが同居する芸術の都を象徴する存在、ニューヨークの自由の女…

イタリア旅行⑧ドーリア・パンフィーリのベラスケス

イタリア5日目の10月12日、最後の都市、ローマに入る。イタロでテルミニ駅に到着したのは正午過ぎだった。 駅前のタクシー乗り場の長い列に並ぶ。先頭で係の男らしい人が、乗客を並列停車のタクシーに誘導する。声をかけてくる運転手がいるが、「ぼったくり…

イタリア旅行⑦フラ・アンジェリコの「受胎告知」

ウフィツィ美術館前の人波はシニョリーア広場に続いている。 ロッジア・ディ・ランツィと名付けられた回廊は、アーチと柱に囲まれた彫像展示場になっている。本物とレプリカと混じっているので、少々ややこしいが、彫像の場合、レプリカでも気にならない。…

イタリア旅行⑥ウフィツィ美術館

旅行4日目の10月11日。フィレンツェは2連泊なので、どたばたとチェックアウトして荷物を預ける、ということなしに観光できるのがいい。 21年ぶりのウフィツィ美術館。ネットで午前9時半入場の予約をした。ホテルから歩いて5分、予約のプリントをチケットと…

イタリア旅行⑤水の都からルネッサンスの街へ

ティントレットで頭が少々くらくらとなって、サン・ロッコ大信徒会を後にする。近くにレオナルド・ダ・ヴィンチ博物館がある。レオナルドは1499年から1500年にかけ、短い期間だが、ヴェネツィアに滞在し、海軍の研究をしたとも、ヴェネツィア派絵画に影響を…

イタリア旅行④ティントレットの衝撃、ティツィアーノの色彩

イタリア3日目の10月10日早朝。ホテル近くを歩く。サンタ・ルチア駅前の船着場を発着する水上バスはすでに大勢の人を乗せている。船での出勤風景。観光がらみの職場に向かう人たちだろうか。 朝食後、スーツケースを引きずってホテル内迷路の階段を上り下り…

イタリア旅行③夢うつつのヴェネツィア

新幹線イタロの車窓から海が見えてきたと思う間もなく、ヴェネツィア本島のサンタ・ルチア駅のホームに列車は滑り込んだ。2日目の10月9日午後5時。スーツケースを押して駅舎を出ると、目の前に懐かしい風景があった。 人の往来が半端ない。風景をめでるの…

イタリア旅行②美しきドゥオーモと街歩き

「最後の晩餐」の余韻を味わいながら教会の外に出る。 教会前の広場からまっすぐ延びた道の突き当りに、なにやらビルのような塔のようなものが立っている。得体が知れない。 教会そばに学校、その向かいに文房具店がある。妻がNHKBSプレミアム「世界ふれあい…

イタリア旅行①「最後の晩餐」

なぜか、イタリアの都市の迷宮、朽ちゆく世界に身を浸したくなった。 仕事から完全リタイアして1年余り、リタイアの文字を入れ替えればイタリアになる。 21年前、妻と高校生の息子、中学生の娘の4人で参加したツアーで、ヴェネツィア、フィレンツェ、ロー…