パリ95番バス

映画と本とアートと遊歩

アーティゾン美術館、ミュージアムの進化形

東京・京橋のアーティゾン美術館を訪れた。前身のブリヂストン美術館から装いを一新、今年1月に開館したが、新型コロナウイルスのため二度休館、6月23日から再開した。23階建て高層ビルの4-6階に展示室があり、入館者は6階へ上がって、降りていく順路…

エンニオ・モリコーネの訃報

イタリアの映画音楽作曲家エンニオ・モリコーネが亡くなりました。新聞朝刊の訃報記事の見出しで、読売新聞は「荒野の用心棒」、朝日新聞は「ニュー・シネマ・パラダイス」を取ってました。 私的には、モリコーネといえば、中学生の時に見て衝撃を受けた「荒…

二度目の倫敦⑩ノッティング・ヒル、アビーロード、テート・モダン

ロンドン最終日、夜の出発までの時間をフルに使う。 まず行ったのは、映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台になったノッティングヒルのポートベロー。ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラントが主演し1999年に製作されたこのイギリス映画で、界隈は一躍人気ス…

二度目の倫敦⑨バッキンガム宮殿から大英博物館

旅行5日目。エリザベス女王が住むバッキンガム宮殿は、宿泊ホテルから歩いて5分ほどなので、名物の衛兵交代式を23年ぶりに再見しようかと、午前10時ごろ、宮殿へ。しかし晴れ過ぎて寒い。 1703年にバッキンガム公の私邸として建てられ、1837年にヴィ…

二度目の倫敦⑧コッツウォルズ、オックスフォードツアー

4日目の日曜日、ロンドンに来てから妻のリクエストで予約したコッツウォルズとオックスフォードの日帰りツアーに出かけた。 午前9時15分、ホテルからバス停で2つのヴィクトリア駅に集合。感じのいい若い男性のガイド兼運転手にツアー客12人。私たちを含む…

二度目の倫敦⑦ウエストミンスターからテムズ川クルーズへ

3日目、ウエストミンスター寺院へ。11世紀に現在のスケール、13世紀にゴシック様式になり、18世紀に2本の塔ができたとか。 シュッとしてはる、と思う。 歴代王の戴冠式のほか、ロイヤル・ウエディングも行われてきた。現在のエリザベス女王とフィリップ殿下…

二度目の倫敦⑥バンクシーからホームズへ

ナショナル・ギャラリーで額縁に収まった過去の絵画を見たあと、覆面ストリートアーティスト、バンクシーの作品を見に行った。 場所はオックスフォード・ストリートの繁華街から公園ハイド・パークに通じるマーブル・アーチ横の壁。 2019年4月、環境保護団…

半世紀後の「男と女」とボリス・ヴィアン

クロード・ルルーシュ監督の映画「男と女 人生最良の日々」を見ました。あれから53年、アヌーク・エーメはやや太りながらも美貌を留めていましたが、ジャン・ルイ・トランティニャンは特殊メークかと思う老け方、映画館の周りの鑑賞者も平均年齢70歳前後(つ…

二度目の倫敦⑤ナショナル・ギャラリー1700年以降

ナショナル・ギャラリーで18世紀絵画は印象に乏しい。超おおざっぱな美術史知識で考えても、15世紀から17世紀はルネッサンス、バロック、オランダ絵画があるけれど、そのあと19世紀のロマン主義、印象派に飛んでしまう。 ただし、イギリス美術界では、18世紀…

二度目の倫敦④ナショナルギャラリー1600年~1700年

ナショナル・ギャラリーは1824年に創立された。18世紀から19世紀にかけ、フィレンツェ、ウィーン、パリ、マドリードなど、ヨーロッパの主要都市に次々と美術館が誕生した。ロンドンには大英博物館はあったものの、絵画の美術館としては後発となる。 他館が…

二度目の倫敦③ナショナル・ギャラリー1200年~1600年

昼過ぎ、トラファルガー広場に戻り、セント・マーティン・イン・ザ・フィールド教会(写真下)のランチコンサートへ。礼拝堂で平日ほぼ毎日開かれる1時間ほどの無料演奏会で、この日は韓国系の若い男性ピアニスト。音楽雑誌で成長株のピアニストとして取り…

パリの日本人三つ星レストラン

小林圭さんがオーナーシェフを務めるパリのレストラン KEI が、2020年度のミシュランガイド仏版で三つ星を獲得しました。フランスで日本人シェフの三つ星は初めてだそうです。 どちらかといえば、ミシュランなんぼのもんや派ですが、このレストランは別です…

二度目の倫敦②トラファルガー広場からボンドストリート

ロンドン2日目の朝。ホテルの中庭へ出る。電飾の噴水があり、ゴージャス感の中にアジア的テイスト。 磨き上げられたロビーの床。レセプションの女性はインド系が多いようだ。 レセプション背景の絵はお馴染み近衛兵とインドの少女? 作家サマセット・モーム…

二度目の倫敦①パディントン経由セント・ジェームズ

若い係官が私のパスポートを見ながら訊ねてきた。 「ビジネス?それともトラベル」 「トラベル」 「ロンドンのホテルは?」 「決まっていない」 ここまではいつもの質問だ。しかし、次の質問を受けたとき、不吉な予感がした。 「帰りのチケットは?」 「い…

ルーヴル美術館㊦ニケ、レオナルド、そしてピラミッド

ルーヴル美術館のドゥノン翼、彫刻が並ぶ廊下の突き当たりの階段上に、人だかりに囲まれて「サモトラケのニケ」が優雅にたたずんでいる。 1863年、エーゲ海にあるギリシャ・サモトラケ島の考古学調査で、腰、胴、羽根がバラバラの状態で見つかった。頭、腕は…

ルーヴル美術館㊥ドラクロワ、ロベール、ラ・トゥール

この絵は誰の絵か? ウジェーヌ・ドラクロワ(1798-1863)の「ディエップの高台からの海景」(1852)。 印象派が描いたような風景。ドラマティックで色彩が躍る絵を描き続けた19世紀フランス・ロマン主義の画家の54歳の作品というから、少し驚く。こんな淡泊…

ルーヴル美術館㊤フェルメール、レンブラント、コロー

今回、旅の最後に訪れたのはルーヴル美術館。 2018年に年間入場者数が初めて1000万人を超え、過去最高の1020万人に達した。前年の810万人から25%増と、驚異的な増え方ですね。2012年の970万人をピ-クに、2015年のテロ事件でパリへの観光客が減少、一転爆発…

教会を巡ってシェイクスピア・アンド・カンパニー書店へ

宿泊するホテルの部屋から、サン・ジェルマン・デ・プレ教会が見える。パリで現存する最古の教会、とされる。6世紀に建てられ、9世紀に焼失したあと再建されたらしい。 下は教会の中。ブルーが鮮やかで、思いのほか新しい感じ。 向かいにはルイ・ヴィトン…

夢中の迷宮、オルセー美術館

パリのオルセー美術館は何回目かの訪問で、以前、二回に分けてブログで書いたことがあるので、今回は過去、見落としていた作品、見過ごしていた作品を取り上げたいと思います。 エリー・ドローネー「死の天使ーローマのペスト」(1869) 2014年の日本でのオ…

夜のセーヌ川クルーズは何度でも楽しい

ポンピドゥー・センターで20世紀のフォーブ、抽象、シュルレアリスム絵画を見て回ったあと、パリ市庁舎を一瞥し、メトロに30分ほど乗ってサッカー女子W杯フランス大会のアルゼンチンー日本戦の観戦に向かった。 パリ市庁舎 メトロは超満員で、フランス人ら…

ポンピドゥー・センター㊦カンディンスキーからポロック

パリのポンピドゥー・センターにはワシリー・カンディンスキー(1866~1944)の作品が数多くある。 「抽象絵画の父」ともいわれるモスクワ生まれの画家の有名なエピソードを二つ。 一つは28歳のときの話。モスクワで開かれた印象派展でモネの「積藁」を見て…

ポンピドゥー・センター㊤マティスからスーチン

南仏からパリに戻った翌日の月曜日、朝からルーヴル美術館に突撃したが、団体客以下行列が延々とできていたので、あきらめ、ギャラリー・ラファイエットなどショッピングゾーンをうろついたあと、午後にポンピドゥー・センターに行った。 何も知らずに見たら…

マティス美術館

南仏の最後はマティス美術館。ニースのシミエの丘にあり、ローマ時代の遺跡が保存された考古学博物館が隣接する。 エントランスは地下にある アンリ・マティス(1869~1954)は第一次大戦下の1917年にパリからニースに移り、第二次大戦の爆撃を避けてヴァン…

シャガール美術館

ニースのシャガール美術館はその名がついたバス停のすぐ近く、高級住宅街の一角にあった。正式名称は「国立マルク・シャガール聖書のメッセージ美術館」。1966年、シャガール(1887~1985)がフランスに寄付した聖書の場面17点の連作をもとに、73年、画家86…

ニース、ナイト&デイ

マティスの礼拝堂だけ見てヴァンスの旧市街をパスし、夕方、400番のバスに1時間揺られてニースに戻る。 夕食は、ホテル直近の日本人シェフが経営するレストラン「エコール・ド・ニース」を予約していた。パリで日本人シェフが多数活躍しているが、ここニー…

マティスの礼拝堂

サン・ポール・ド・ヴァンスから隣村のヴァンスへはニースから来たのと同じ400番のバスで7分ほど。土曜の昼間は30~40分に1本運行し、ヴァンスは終点だ。 バスターミナルの周りは変哲もない街並み。「Chapelle du Rosaire MATISSE」と書かれた標識があった…

詩人も愛したサン・ポール・ド・ヴァンス

マーグ財団美術館から中世の城塞都市、サン・ポール・ド・ヴァンスの村に行く。遠そうに見えるが、歩いて15分ほどの距離だ。 村の入口でアートが出迎え。 石積みの壁、褐色の瓦屋根が南仏の雰囲気を醸す。 のどが渇き、少しお腹もすいたので、大きな木に囲…

画家たちの夢、マーグ財団美術館

南仏に点在する鷲の巣村の一つ、サン・ポール・ド・ヴァンスへは、ニースからバスで1時間がかりだった。 村はずれの森の中に、マーグ財団美術館はある。 門をくぐって前庭に入ると、オブジェが出迎える。木々に囲まれ、緑の芝に置かれたミロ、アルプ、カル…

ニースの紺碧の朝

朝、ニースの海岸沿いの道を散歩する。 晴れて微風、空も海も青く、実に気持ちがいい。 天使が羽根を広げたような形から、アンジュ(=エンゼル)湾と呼ばれる弓なりの海岸沿いに、プロムナード・デザングレ(英国人の散歩道)が続く。 19世紀、保養にやって…

スタールの風景、カンヌの手形

花壇が観光客を迎える 地中海に面したアンティーブは2000年以上前のローマ時代からの港町で、中世には外国との貿易拠点となり、今も残る城壁は戦争や疫病から街を守るためのものだったとか。面積26平方㌔、人口7万5000人ほど。 ニースからアンティーブ駅ま…